ひきこもりマルチリンガルw

低レベル日中英マルチリンガルw ( 育児ブログ反省・カナリア・モルモット・TV・アプリ )

「ペコロスの母に会いに行く」岡野光江さん永眠

( 本日のブログの画像は後に差し替える予定でございます。)
 
岡野雄一さんによる痴呆症のお母様の介護を描いた
「ペコロスの母に会いに行く」を知ったのは
2年以上前だったと思います。
映画の応援Facebookページで
この「コミックエッセイ」の中身
少しずつ紹介していたのを見て
一目で釘付けになりました。
 
最初は西日本新聞社から自費出版なさった本が
今では、友人の話によると、長崎の本屋さんには
必ず置かれているそうでございます。
映画も公開され、既にDVDになりiTunesでも売られております。
( ↓自ポチ購入予定。後日、感想をブログるかもしれません。)
ペコロスの母に会いに行く

ペコロスの母に会いに行く

  • 森崎東
  • ドラマ
  • ¥2037
けれども、
2012年5月でしたか、当時、
即、Honto書店(当時はBK1?)で頼んだところ
既に、大人気で品切れ、再入荷されるまで、数ヶ月、
かなり長い間、待ったことを覚えております。
( まだ電子書籍化されていないようですが
海外の読者のためにも電子書籍化を強く願います。)
 
そして、やっと手に入った本は
週刊誌よりも大きなサイズなものの
軽く読みやすい装丁で、4コマ漫画だけではなく
エッセイも多く含まれ、実に読み応えがあり
苦労して手に入れた甲斐がございました。
 
いえ、
読み応えという言葉は相応しくないかもしれません。
もう、号泣いたしました。
全体的に、ほのぼのとして
暖かく、ユーモアにも溢れた本なのですが
最後まで読み終えて号泣いたしました。
 
素晴らしい作品で、心の底から推薦申し上げます。
 
海外にお住まいで、
本屋さんで手軽にチェックなどできない方のために
ほんの少しだけ、わたくしが号泣した部分を…。
( ネタバレの類がお嫌いな方は拡大なさいませんよう。)



 
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長崎の原爆で、お嬢さんを失った
「ペコロスの母」岡野光江さんは
昨日2014年8月24日
91歳で永眠なさいました。
8月26日正午から
長崎市光町の平安社長崎斎場本館で
葬儀とのことでございます。
 
安らかであられますよう 、お祈り申し上げます。
 

複言語環境で育てる時の注意

本日は、2005年3月にブログった「多言語育児10年の問題」を
もとに、バイリンガル育児を目指す親御さんへの提議、
モノリンガルの語彙力・表現力を過小評価しないこと、
言語だけでなく、その土地の一般常識も必要なこと、
などについてブログらせていただきます。

*2005年3月7日*

【 中学進学準備で語彙力の問題点を知る】

多言語環境育児も10年を越え..新たな問題に突き当たった。
予想してなかった訳ではないが甘く見ていたかもしれない。
最近
中学進学選別学力テスト対策を始めたので気付いたのだ。

普通の算数や英語のテストは全く問題無かった....
わけじゃないが(笑)..ケアレスミスも多かったが
まだマシだった。
しかし、その学力テストでの比重が大きい
知能テストと見なされている言語パズルのような
「Verbal Reasoning」
の過去問をやり始めてから、愕然と気付いたのだ。

長男の語彙力の現実に....

長男の為に弁解すると
このテストの結果も決して悪くは無い。
長男は要領が良いので、語彙も同年代レベルの英語のテストでは
上位をとれるだけのものの最低限は、押さえていると思う。

しかし、
やはり足りないのだ…
語彙が…
独特な言い回しの知識が…

そして、この足りない語彙&言い回しは、
今後、学校の勉強でも読書でも身に付けていくであろう難しい
抽象的な語彙や高度な表現ではなく、
単に知ってるか知らないというレベルの名詞や言い回しなのだ。

【 母国語の沐浴に浸かる幼児時代 】

具体的に言うと
農場や庭や台所など身の回りで覚える様なコトバ、
英国人の親が自然に使う、いかにも英国的な
(日本語風に言ったら「漢語」じゃなくて「ひらがな」的な)
「ことわざ」「言い回し」などの、それほど一般的じゃない部分
そこが弱いのに気付いた。

日本語で言ったら
「おたまじゃくし」「なめくじ」は知っていても
「ミジンコ」に、つまづく...
あるいは
「下駄」と「草履」は知っていても
「わらじ」で、つまづく...
.....といったことだ。

足りないというと語弊があるかも知れない。
これらのコトバを知らなくとも
ほぼ問題無く英国で生きては行けるだろうし
現に、知らないで生きている
非英国人家庭出身で高学歴のプロフェッショナル(特に理系?)は
結構いるのかもしれない......

だが、
この様な語彙&表現は、
英国人であったらプロフェッショナルであろうがなかろうが
高学歴であろうがなかろうが、おそらく、
全く意識もせずに子供時代に覚えているはずだ。

なにしろ
一般的英国人家庭で育つ英国の子供達が
赤ちゃんから幼児時代、どっぷり浸かって来た「母国語」の沐浴に
うちの子供達は浸かっていないのだ。
だから、あちこち抜けていて、さらに、
そんなコトバが累積されているわけなのだ。

【 英国以上に足りなかった日本の常識 】

もっとも、例えば、私が英語で子育てをしていたら
ますます逆効果だ。なぜなら
私自身に、そんな、あふれるほどの
英国的常識や常識的な語彙や常識的な表現力が無いのだから。

その分、日本語で(この際、中国語は考えている余裕が無い)
英語にとってかわるコトバ教育ができていたかと言うと
全然ダメであった。

日本的常識は、英国的常識よりも
数段、抜けまくっているのだ。
なにしろ
日本の生活は遠い。
日本に行くのも、いつも春、
「こたつ」も「たなばた」も「ひなまつり」ですら
息子達はDVD(アニメ類)や児童雑誌で初めて知ったし
今覚えているかどうかも疑問だ.....。
(頭に一個入ると一個出る様な気がする今日この頃)

【 それでも3ヶ国語で生きるしかない 】

現実問題として、
息子達は、3ヶ国語・3文化環境で生まれ育っており
そもそも
家庭でできる「ことば教育」には限度があり
どのコトバも中途半端という怖い状況なのである。

今さら、過ぎた日の事を後悔しても意味が無いし
今、気付いたのが幸いだったと、これから
地道に強化していくしかない。

そんな訳で、いま、
学校では習わない様な一般英国市民的常識
及び、学校でも習うが親の私は知らない一般常識について
まず親の私自身が猛勉強中だ。

実は
この勉強が、かなり面白い....
何故かというと、
こんな事も知らなくっても英語で生きて行ける事に、
あらためて「たくましさ」と同時に「怖さ」を身に沁みて感じるからだ。

コトバというのは奥が深いものだ。
ほんのカタコトから、既に、コミュニケーションという
莫大な力(ある意味戦力)を持っている...
そこが、たくましい。

一方、こわいというのは、こんな事を感じたからだ....。

【 モノリンガルが過小評価しやすい自己の語彙力と表現力】

それは
モノリンガルな環境で育って来た人は、時として
自分の持っている語彙力や表現力の豊かさを
過小評価してしまう事があって、
その過小評価が
他の言語の語彙や表現の豊かさへの過小評価につながり、
そして、そんな誤解が、
一つの言語を血や肉として育つという
モノリンガルな環境では実に自然な事の様に見えるけれど
同じ事を人為的にやろうとするのは、ほぼ不可能に近いという
重大な事実から
「多言語育児親」の目をくらましてしまうんじゃないか?という
あくまで個人的な考察だ。

それでは
バイリンガル環境で育って来た親なら
大丈夫なのかというと、これは、これで
もっとアブナイかもしれない.....。
なぜなら
バイリンガル環境で育って来た親は
モノリンガルの豊饒なコトバの世界を知らないかもしれないからだ。
(モノリンガルなだけで言葉が貧しい人も少なくないが)

【 豊穣な1言語か、高度なレベルの複数言語かの選択】

巷に溢れるバイリンガルに肯定的な本に書かれている事とは相反して
バイリンガルで育つというのは、
単純計算で言ったら
モノリンガルが一つの言語に費やす時間の二倍を
二つの言語に費やさなくてはいけないことだ。
( 両方に使える共通部分は、あるが )

二つ以上の言語でモノリンガルの最高峰レベルに達する事が
どれほど至難の技か.....

もちろん
A語とB語の「ある単語」は、同時に覚えられる
だが
その時、A語モノリンガル家庭では、
バイリンガル家庭で、A語とB語で、その単語を覚えている間に
A語で、その単語の派生語や、別の呼び方などを
覚えているかもしれないのだ。

それを、どうも、バイリンガル擁護説は、
無視する傾向がある様に思う。

一つの言語を
どれだけ限りなく豊かに身に付けるか
VS
複数の言語を
ある程度の高度なレベルまで身に付けるか...

この選択は、必須なのだが
どうも
「どっちも手にできますよ!」と謳っている
多言語教育・育児関係の本が少なくない様にも思う。

我が家のように、選択の余地が無い家は
スレスレの所を歩きながら、
最大効果を目指して要領良く生きていくしか無い。

「自然」が手に入らないなら「人造」で行くしかないのだから
最高の人造で行く....と気張ると
我が家の場合は、すぐコケるので
ともかく
試行錯誤しながら、生存を目指す...これしかない…。
(と書いている暇があったら勉強しろ私、ということだ…)


*2014年8月26日*

【 現在の感慨】

今や大学生・高校生となった息子たちについて
親の立場として知り得たことを
公開ブログで、あれこれと詳しく語りたくありませんので
ほんの少しだけ…。

モノリンガルであれバイリンガルであれマルチリンガルであれ
中学に入ってからの、子ども達の言語能力の発達には
目覚ましいものがあるのではないでしょうか?
息子たちも、語彙力・表現力だけでなく、文章作成力を磨かれ
長男などは、いつのまにか、
大人の英語が書けるようになっておりました。
もちろん、まだ、発展途上中の次男には
不安な要素も少なからずございますが。

学校の授業、先生、同級生の影響が莫大なのは当然ですが、同時に
同じ家庭や、似た環境でも、子どもの適性や興味などで
全く異なる結果が出るものだとも思います。

【 言語の背景と文化も過小評価しないこと】

ともかく、もっとも重要なことは、
モノリンガルな環境で育って来たゆえに過小評価しがちな
自分の語彙力や表現力の豊かさを、正当に認識し、
他の言語の語彙や表現の豊かさを過小評価しない事でございます。

時々、非英語圏にお住まいの方が、現地語に苦手意識をもち、
「英語ならわかるのに」と仰ることがありますが
英語と、一口で申しましても、
英国とアメリカの違いだけでなく、
オーストラリア、NZ、インドなどコモンウェルス国家
そしてアイルランド、スコットランド、ウェールズ…と
地域によって、不可欠な「一般知識」は異なります。
それを甘く見てはいけません。

「花子とアン」の村岡花子さんが、カナダに行ったこともないのに
「赤毛のアン」を翻訳できたのは、寄宿舎生活で
カナダ人教師達が持ち込んだカナダの文化慣習やカナダ的生活に
深く馴染んでいたからだと思います。

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(昔の写真ですが、 一応ボカしてあります(爆))


ご読了ありがとうございました!
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「ひきこもりマルチリンガルw」
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