ひきこもりマルチリンガルw

低レベル日中英マルチリンガルw ( 育児ブログ反省・カナリア・モルモット・TV・アプリ )

終戦の日・排他的な愛国心

【日本の終戦記念日は英国の勝戦記念日】

終戦記念日…英国ではVJ Day( 対日勝戦記念日 )と呼ばれております…。
連合軍に、日本が無条件降伏をした日でございます。
この日を境に、当時の満州・朝鮮など
外地に住んでいた日本人の必死の引き揚げ、
捕虜となった元日本兵や一般日本人のシベリア抑留が始まり、
一方で
フィリピンやビルマなど南洋での強制労働、
苛酷な状況を生き延びた、英国人など連合国軍捕虜は
骨と筋のような姿で解放・救助され帰国が始まりました。
(末尾で「中国大陸で終戦を迎えた日本人」おすすめ書籍をご紹介申し上げます)

日本人が日本のために戦ったように
英国人も英国のため、というより、英国人の信義のために
戦っていたんでございます。
英国では、よく、戦没者追悼・元兵士・遺族への援助活動の際、
「彼らは、あなた方の自由を護るために、自らの自由を犠牲にした」
と申します。

【事実の追求に不可欠なのは…】

近年
「南京大虐殺は、無かった」という説を
本や雑誌だけでなく、ネットでも、よく見かけます。
同時に、ネットどころか、一般書店でも、いわゆる
「嫌韓・嫌中」系の書籍が売られているそうです。

中国の通州で在留邦人が惨殺された「通州事変」の
写真の一部が、南京大虐殺の写真として扱われ、
信じられているという説もあり、
実際に、一部を拝見し
中国婦人ではなく日本婦人だろうとしか私にも思えないような
痛ましい写真もございました。

ただ、
国籍や民族が、中国であれ日本であれ
その写真の中の女性が、凌辱され惨殺されたのは
事実に違いはありません。

事実は、多面的、立体的なもの…
一つの事実にも、様々な側面、様々な解釈がございます。

事実を求めること、
実際に歴史を生きた方々に冤罪と不公平を押し付けないこと、
これは非常に重要なことだと思っております。

同時に
「自分が欲しい事実」
「自分にとって都合の良い事実」
を求めるのは
事実の追求にはなりません。
結論が先にある探求に何の意味があるのでしょう?

【隣国の仲が悪いのはデフォなものの…】

それから、
隣国の仲が悪いのは
兄弟の仲が悪いのと同じくらいに
よくあること、むしろデフォルトでございます。

以前、住んでおりましたベルギーでも、
フランス人とオランダ人が大嫌いなベルギー人から
「ほんとにイヤなヤツらだ」と聞かされることが
一度ではありませんでしたし、実際、
ブリュッセルに住んでいたというフランス人も
「ほんとに大変だった」と強く同意しておりました。
イタリア人と結婚しているフランス人の元隣人は、
「イタリアではフランス人は嫌われて差別される」から
英国かフランスでしか暮らしたくないと仰っていました。

韓国や中国が嫌いなら嫌いで構いません。
国籍や民族で一概に嫌うのは
人種差別・偏見であり幼稚なことでもありますが
密かに嫌うだけならば、個人の自由でもありましょう。

【英国では有り得ない日本の「嫌韓本」販売】

けれども、
結果的に
ある国、ある国民が、いかに嫌いか…
を力説してしまっている様な書籍が、一般書店で売られる…
これは、英国では、考えられません。
犯罪になります。

イスラム系書店で、こっそり、というのが
問題視されたこともありますし
BNPやUKIPなど、一般国民から、
ちょっと引かれている「極右」政党でも
日本の嫌韓本レベルの本は(パンフレットでさえ)
出版できないと思います。

一見、穏やかで、礼儀正しくフレンドリーな日本人
その日本で、
堂々と、人種差別的な本が本屋に並ぶのは
コンビニで子どもの手も届くところに
堂々と、卑猥なエロ本が並ぶのと同じく
かなり異様な風景だと感じます。

【愛国心とサッカーのサポーター】

英国は、サッカー、Footballの愛されている国、
ラグビーやクリケットと異なり
不幸にも、なんとなく、労働者階級のスポーツ
と、みなされてしまってもおりますが、それでも、
基本的に、一般男子は、どこかの
サッカー・チームのサポーターである事を
暗黙の了解的に求められているところが否めません。

我が家でも、
長男タローはマンチェスター・ユナイテッド( Man U )
次男ジローはチェルシー
わたくしは、ごく、ゆるく、アーセナルを
応援しております。
UEFAチャンピオンズ・リーグで
Man Uとチェルシーが戦った時など地獄でございましたわ…

次男ジローの学校に、新しい男の先生が来た時
男の子は、まず、
どのチームのサポーターか、と質問しておりました。
答えは、リバプールで
当時、チェルシー、Man U、アーセナルの順に
三分されていたクラスからは失望の声が高まっておりましたわ(爆)

さて
各サポーターは、それぞれのチームを愛し叱咤激励し
一見、排他的でもありますが
サポーターは
サッカーというスポーツを愛するという点では一致いたします。

そして
サッカーのサポーター精神は、
愛国心にも通じるのではないでしょうか?

【排他的な愛国心、外交のできない政治家】

愛国心は、もともとは、
確かに、国を護り、他国と戦うことに
直結していたと思います。
けれども
今の世の中、今の地球で、
排他的な愛国心を抱くことは非常に幼稚だと思います。

自分が我が国を愛するように
隣国のかたも自国を愛する…
簡単に想像がつくことではございませんか?

排他的な愛国心ではなく
共存的な愛国心、
戦争ではなく
外交、
戦争を手段として考える政治家に
報酬を払う意味があるのでしょうか?
難しいところを外交で切り抜けられる能力
それを持たない政治家に存在意義はあるのでしょうか?

【中国大陸で終戦を迎えた日本人 ( おすすめ書籍 )】

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「チャーズ」以外は
BookLiveやHontoで買って電子書籍版を読みました。
海外からも海外発行のクレジットカードで買えます。
数年前、eBook Japanで購入した「水子の譜」以外は
大体、どの電子書籍店でも売っていると思います

アフィリエイトの形式になってしまい恐縮なのですが
とりあえず、iPadやiPhoneをお持ちの方には、すぐに
iBooksでサンプルを読めて便利なので
リンクを貼らせていただきます。

「妻と飛んだ特攻兵 - 8・19満州、最後の特攻」豊田正義 ( 角川書店 )

上の写真、本の右は、その特攻隊員、谷藤徹夫少尉。
綿密な取材により立体的に描き出される当時の状況から生活まで…
特攻や戦争に関するエピソードだけでなく、例えば、隣家の婦人が
朝子夫人が夫を見送る時、投げキスをしていたのを
見ていてた子どもに「あれは何か」と聞かれ
「いってらっしゃい」という意味だと言われ
その後さかんに真似をしていた…と語る和やかな場面や
谷藤少尉青少年時代の現代にも違和感が無い若々しい文章など
歴史が、至近距離に迫って来る本です。
歴史的背景も詳しく描かれており判りやすく、
いつか絶対ドラマ化か映画化される、さでるべき本だと思います。
https://itunes.apple.com/jp/book/qito-feinda-te-gong-bing-8/id697714782?mt=11&uo=4&at=10lKaG

「降ろされた日の丸 - 国民学校一年生の朝鮮日記」吉原勇 ( 新潮新書 )

慰安婦問題が騒がれていますが、
この本の中では、米兵による婦女子の暴行を防ぐため
40代くらいの女性の中から「慰安婦」を選ぼうと
町内で話し合う場面が出て参ります。
著者のお父さんの反対で、その案は却下されるのですが、
小学生くらいの幼馴染の少女が暴行されたり
隣家の美しい17歳のお嬢さんが繰り返し米兵から暴行され
その後ずっと娼婦として扱われ、
最後には引き揚げもできなかったという結果に
苦悩することとなります。
また、北部から逃げて来た日本人の少女を、
日本人の大人達がからかって全裸にする場面も出てきます。

「チャーズ( 卡子 ) - 中国建国の残火」遠藤誉 ( 朝日新聞出版 )

これは、誠に、読むのが辛い本でした。
読んだのは10年以上前ですが、今でも、チャーズの悪夢は
深く心の底に沈んでおります。
その後、苛酷な状況でチャーズから生き延びた著者が、
中国で現地の学校に通い始め、自己紹介で
大久保誉という名を「大久保魚」と発言してしまい
その後クラスメート達が、それぞれ自分の名前に魚を付けて
大笑いし合う場面…、この時代や状況だけでなく
子どもが外国人として生きる上でありがちで身につまされました。
チャーズ

チャーズ

  • 遠藤誉
  • アジア
  • ¥1,200

「光さす故郷へ - 満州から我が子を抱いて」朝比奈あすか ( 角川ソフィア文庫 )

著者が大伯母よしさんから聞いた話だけだなく
モンゴルのウランバートル収容所に抑留されていた夫
寅雄についても詳しく書かれており、
実感がわき、ドラマや映画の様な読みやすい本です。

「水子の譜 - ドキュメント引揚孤児と女たち」上坪隆 ( 現代教養文庫 )

非常に辛い事実ですが
多くの方に知っていただきたい内容です。
この様な施設の話は、今でも、ほとんど知られていないのではないでしょうか。
引き揚げて来た女性、子ども達
おそらく、一生、精神医学的サポートは受けることなく
暮らしている、いたと思います。
著者が自身の体験に基づく、思いやりのこもった眼差しと
洞察が心に響きました。



ゼッタの「ひきこもりマルチリンガルw」

ご読了ありがとうございました。

明日も、ご来訪お待ち申し上げております。

http://zetta.hatenablog.com/


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