ひきこもりマルチリンガルw

低レベル日中英マルチリンガルw ( 育児ブログ反省・カナリア・モルモット・TV・アプリ )

バイリンガル育児を諦める選択

本日は2003年2月28日のゼッタ育児ブログと現在の感慨でございます。

【 拭い去られた言語 】2003年2月28日

金曜日の放課後
敦朗がクラスメートの家に遊びにいっている間
友人M(ポーランド人)と彼女のお母さん、
Mのチェコ出身の友人Fと四人で
甘すぎないドーナッツの様な伝統的なポーランドのお菓子を食べながら
甘いお酒を飲んで盛り上がった。

話が、たまたま、ジローの英語の事になり、私が
「姪っ子に家庭教師をしてくれた16歳の友人のお嬢さんに
一週間に一回英語の本を読みながら話し掛けてもらう事にした」
と言うと
Mは、「フム」といった顔をしてから、こんな体験談を話し始めた。

Mの友人(やはりポーランド人で、夫は英国人)と3人の子供達の事だ。
彼女は子供が赤ちゃんの頃からポーランド語で話しかけており
上の子供は、5歳の時点で、英語よりもポーランド語の方が優勢、
Mともポーランド語で不自由なく会話をしていた。

ところが、真ん中の子供は、3歳を過ぎても
意味不明な言葉しか出てこずスピーチセラピストの診察を受けた。
「焦る必要は無いと思うが、それほど心配なら英語だけを使ってはどうか?」
と言われて、彼女は、Mの助言も聞かず
とにかく一年間、子供達に英語しか話さない事にしたのだが、
その結果、上の子供のポーランド語まで
「跡形も無く拭い去られてしまった」そうだ。

一年だけで、上の子はポーランド語が殆ど理解らなくなったのだ。

当然の事ながら、真ん中の子・下の子は、全くポーランド語を解さない。

「片言は知っているけど、もう全然話せないのよ。たった一年でね...。」
と、Mは溜息をつきながら
「だから、英語に力を入れるのも十分注意した方がいいわよ。」と続けた。

もちろん、我が家では、家で話す言葉は、
あくまでも日本語・中国語が基本なので心配は無いのだが
とにかく、この「一年だけ」で
子供が赤ちゃん時代から親しんでいたお母さんの言葉を
スッカリ忘れてしまったというのには少なからずショックを受けた。


【 消えたポーランド語その2 】2003年3月10日

幼稚園の後
ポーランド人の友人MとAちゃんを家に招く。
この間、日記にも書いた
「5歳でポーランド語が消えた女の子」の話を
もう少し詳しく聞く事にした。

まず
その家族(夫イギリス人・妻ポーランド人・子供3人)が
次女の発話が遅れていたのを気にして
一年間どの様にポーランド語を家から締め出したか...について。

Mは、その家の常客で
長女とも、よくポーランド語で話していたらしいのだが
「英語に集中!」方針になってからは
「子供達には絶対ポーランド語で話し掛けないで。英語だけにしてね!」
と頼まれたとの事。

Mの英語はネィティブ並み(←彼女は英国の公立校の先生)なので
英語で話す事に全く問題は無いが
友人に、そう言われた時は
「そんなに焦らないで、もうちょっと待ってみたら?」と
もう一度説得してみたものの
その友人の決意は固かったらしい。

とにかく家の中ではポーランド語一切禁止となってしまったのだ。

一年たって
次女も無事英語を話す様になり
さて、ポーランド語を再開しよう、と思ったら
もう、子供達はポーランド語を受け付けなかったと言う。

次女も末っ子もポーランド語は全く理解しなくなっており
長女は、若干、まだ理解はできたものの
ポーランド語が既に口から出なくなっていたそうだ。

現在、上のお嬢さんは10歳。
「これから再開しても何とかならないものなのかな?」
「頭の奥の方にポーランド語が残ってるんじゃないかな?」と
聞くと
「そうかもしれないけど、もう、友人は諦めてるから」との事。

彼女は
「英語が出来る様になったんだから、それで良い。学校で良い成績を取る方が大事。」
「本音を言ったらポーランド語ができる様になってほしいけど、あれもこれもと望んでもうまく行かない。」
と言っているそうだ。

ここで話題をMの子供達(Aちゃんとお姉ちゃん)に移す。
ポーランドから来ていたオ・ペア嬢がクリスマス前に帰国し
Mのお母さんが一緒に住む様になって
二人のポーランド語は、ぐんと進歩した。

オ・ペア嬢は児童教育学専攻の大学生で
(ただし、それほど子供好きではないと私には自白していた...(笑))
子供達の面倒は、よく見ていたが、会話は英語になっていたのを
今になってMに告げると
「知ってたけど、彼女は英語の勉強に来ているんだから、
しょうがなかったと思う。でも、あの頃は、Aは、
ポーランド語が殆ど喋れなくなって、
母が電話で何か話し掛けても理解らなくなっていた。」との事。

そして
孫達のポーランド語を心配したお母さんが
「やっぱり私でなきゃっ!!」
と、参上する事になったのだそうだ。

ちなみに
Mのご主人(父ポーランド人・母イギリス人)は、
自分が殆どポーランド語ができない為
子供のポーランド語教育には非常に熱心らしく
お義母さんと一緒に長期暮らす事には全く不満を持っていないらしい。

もっとも
この夫婦は以前
ポーランドから大工さんを呼び寄せ数ヶ月同居し
信じられないほど廉い工費で
庭にサマー・ハウス(立派に書斎として使える「離れ」)を
建てたという経験を持つから
もともと賑やか好きなのかもしれない。

それにしても
Mのお母さん(←若い)と
流暢に(聞こえる)ポーランド語で喋っているAちゃんを見ると
わずか3ヶ月で、ここまで復活したのには
本当に感心する。

中国には
「一家一老・一家一宝(Yi Jia Yi Lao, Yi Jia Yi Baoと韻を踏んでいる)」
(=家庭にお年寄りがいるのは宝物があるのと同じ)
と言う格言(?)があるが
まさしく年輩女性はバイリンガル教育一家の宝だ。


【11年後の感慨 ( 2014年8月20日 ) 】

友人Mは、ここにブログってあるように
幼稚園・小学校時代は、英語が殆どできないお母さんを
ポーランドから呼び育児の手伝いをしてもらっており、
さらに1年に数回、子ども達を連れポーランドで休暇を過ごし
家でも、ポーランド語の児童チャンネルを入れたり、と
かなり英語とポーランド語のバイリンガル育児・
バイリンガル教育に力を入れておりました。

この友人の選択について、彼女は、
自分は選択しないけれども、友人の選択は尊重するし、
また、友人も子ども達の成績が良いことを喜び
それは、英語一本にしたからと、その選択を
後悔していないので良かった、と語っておりました。

バイリンガル育児、マルチリンガル育児をするか否かは
家庭によって状況も選択も異なります。
その時、自分とは異なる選択をした友人や知人の選択を
尊重するのは非常に重要なことだと思いますわ。
自分とは異なる選択を認めない方は結構いらっしゃいますから。

ところで、
引っ越す前に住んでいた街の別の友人はペルー人で
子ども達が小さい頃は、ずっとスペイン語で会話していたのですが
( おかげで、わたくしもスペイン語を少し覚えました(爆))
双子の坊や達が小学校5年生ぐらいの時でしょうか
英語力( 読解力とか作文力、語彙など)に疑問を感じ
思い切って家での会話を英語一本にしたところ
英語力だけでなく、成績も、急激に向上したと
満足しておりました。

バイリンガル育児やマルチリンガル育児には
正解も王道もございません。
まさに、漢方薬と同じ。
子どもと、環境に合った処方が必要で
万人に合う処方は無いのだと思いますわ。
そして、
当然のことながら、
バイリンガル育児やマルチリンガル育児をしない、
あきらめる、という選択が、結果的に、
子どもの将来の選択肢を増やすこともあると、痛感いたします。

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ピンボケじゃないんですのよぉぉ、わざとボカしてありますのよぉーっ(爆)
チューダー王朝(テューダー王朝)期について学んだ校外授業の写真でございます。
これは、音楽と楽器、、、他にも、医学、武器、工芸などについて学びました。
わたくしは手伝いボランティアで参加したのですが、この当時は
まだ、写真を撮ることが歓迎されていて、
撮った写真を後でCDに入れ先生に渡したりしておりました。

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